文化財の紹介(有形文化財・考古資料・歴史資料)

更新日:2021年04月27日

石川県雨の宮一号墳出土品(重要文化財)

中能登町能登部上・西馬場に所在する、雨の宮一号墳出土品の一括である。
史跡整備事業に伴う発掘調査で粘土槨が検出されて、槨内から割竹形木棺の痕跡とともに、豊富な副葬品が発見された。副葬品の内容は、神獣鏡1面、方形板皮綴短甲・鉄剣・銅鏃・鉄鏃などの金属製品165点、車輪石・石釧・小型の琴柱形石製品・管玉などの碧玉製品34点で構成され、これに全形を留めないが糸かがりで飾られた漆塗の盾や、帯状の漆製品残欠が加わる。
神獣鏡・銅鏃などの銅製品に、数多くの鉄製武器や農工具と、さらに畿内地方でも多量に出土している車輪石・石釧など腕輪形石製品が豊富に伴うという副葬品の構成は、古墳時代前期後半から中期初頭の様相を良く示すとともに、当時の北陸地方における首長と畿内の王権との関係や、葬送儀礼の実態を示すものとして、その学術的価値は高い。

1号墳出土品

銅鏡・車輪石・石釧

琴柱形石製品と管玉

乗念寺関係資料(町指定)

中能登町能登部下に所在する浄土真宗本願寺派乗念寺が所蔵する資料である。 本資料は平成28年度から平成29年度にかけて調査・整理し、古文書が612点、什物が61点、合わせて673点を数える。 古文書の内訳は中世文書38点、近世文書298点、近代文書276点となっている。特に中世文書の内、戦国時代の本願寺からの礼状である「本願寺御印書」5点にとっては全国で最も古いものである。また、御印書に記された本願寺への献上品の内、麻苧(あさお=麻糸)や麻の代わりとしての金銭があることから、近世より能登部地域の特産物となっていた麻織物が、戦国時代よりはじまっていたことを示す史料となる。 什物は、影像類や書跡・典籍などがある。影像類では14世紀の聖徳太子・先徳連坐影像、16世紀の方便法身尊像など中世の仏教絵画を含み、特に乗念寺の初見史料となる慶長6年(1601)の本願寺顕如影像裏書には、本願寺12代准如から乗念寺慶誓へ影像が授与されていたことが分かる。 本資料は、中世における能登部地域の在地支配の実態や動向をうかがい知ることができ、能登の地域史における歴史学、古文書学上きわめて学術的価値を有するものである。

 

(永禄3年~10年)本願寺御印書

(永禄3年~10年)本願寺御印書

永禄3年(1560) 石動山松本坊山売券

永禄3年(1560) 石動山松本坊山売券

天正7年(1579) 気多社桜井光基免田下状

天正7年(1579) 気多社桜井光基免田下状

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